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2010/10/22 (Fri) 岡田監督とフローマネジメント

十分に予想された通り、カンブリア宮殿に岡田監督が出た。

そのなかで、監督は理想のチームを
「選手ひとりひとりが輝いているチーム」
と表現した。

これは理想論でも抽象的な表現でもない。

目指すべき、具体的な目標だ。


また、ダメな状態の例として、
「みんなが自分を守ることに必死」
ということを挙げていた。


現在、多くの組織がダメな例にあたるのではないだろうか。
「上司から怒られないように」
「お客さんからクレームにならないように」
「周囲から嫌われないように」

多くの人がこのようなネガティブな動機に動かされ、貴重なエネルギーと時間が自分を守ることに費やされてしまう。


売り上げが下がっていたり、逆風のなかにある組織では特にこれが顕著になる。
「自分は悪くない」→「自分以外の誰かが悪い」
仲間内でエネルギーの奪い合いが始まる。


そんなとき組織のトップのやるべきことは、まず皆を安心させてやることだ。
早急にエネルギー漏れの止血をしないといけない。

責任はトップにあること。だれも悪くないこと。
これを浸透させる。

これは本気で思わなければ意味がない。
ウソはスグにバレる。バレたら止血にならない。

しかし、本気でこれができる人は本当に少ない。
なぜなら、組織のトップが得てして一番ダメージを受けているからだ。
周囲から最もエネルギーを奪っているのが、組織のトップだった、という例は珍しくない。

トップの人の人間力が問われる。
岡田監督は、このハードルをクリアできた稀有な人だった。

(一方でイングランドやフランスの責任のなすりつけ具合は見苦しかった。
岡田監督は、人間力では間違いなく世界トップクラスの監督だった。)


止血したら、今度は一人一人を輝かせる方向へ舵を切る。
それには、一人一人そのままを肯定してあげることだ。


逆風下にある組織は、無意識的に自らを否定しがちだ。
「もっとレベル高いことをやらないと」
「もっと頑張らないと」
実は、これらは全て自己否定だ。

「今までの自分達以上にならないと」=「今の自分達じゃダメ」
という強迫観念にかられてしまう。


サッカー日本代表も、W杯前の連敗でそのような状態に陥ったようだ。
「もっと上手くやらなければ」「今までの自分達のままじゃダメだ」「もっともっと・・・」

やがてエネルギーが枯渇すると、奪い合いが始まる。
「俺はちゃんとやっている」
「攻撃陣はもっと守備をしてくれないと」
実際にそのような意見のぶつかり合いがあったようだ。
相当苦しかっただろう。

そのとき川口が呼びかけたミーティングで、闘莉王のひとこと、
「俺たちはヘタクソなんだから」
という言葉でスイッチが入った。

現状の自己肯定スイッチだ。
「今の自分達じゃダメ」から「今の自分達のレベルでできることは何か?」に変化した。

そうすると、今の自分よりひとつレベルの高い選手を演じる必要性がなくなり、ありのままの自分を出せるようになる。これは僅かな変化に思えるが、エネルギー的にはマイナスからプラスへの大転換だ。

ここから選手間でのエネルギーの奪い合いが消え、逆に与え合いが始まる。


川口の呼びかけで開かれたミーティングだったが、川口を動かしたのは監督だったという。
これを狙ってやったとしたら相当なものだが・・・。


そして、土壇場でようやく選手が自分を守ることを止め、自分をさらけ出し、持っている武器を出し合って、自ら試行錯誤し始めた。少しずつ、一人一人が輝き始めた。

この時点で、岡田監督の理想のチームがようやくスタートできた。
少し遅かったが。
この出遅れが、結果としてベスト4という目標に届かなかった直接の原因だと思う。

最近アルゼンチンに勝ったことからも分かるように、このチームはもっと強くなれた。(ザッケローニ効果のように言われているが、実際には岡田監督の遺産のおかげ)

日本の教育、体育会系の部活動は特にだが、監督や目上の人は絶対だ。
結果、受身でいることに慣れた、ロボットのような人間が大量生産されている。

サッカー日本代表といえど、そのケがあった。
岡田監督が
「自ら考えろ。お前らのチームだ。もっと自分を出せ。」
という方針で、戸惑ったことだろう。


W杯の重圧やゲームでの連敗で止血をしないままに背負わせ過ぎてしまった。
一段だけ、階段を飛び越えてしまっていた。そこから歯車が狂っていった。
(この一番の犠牲者はシュンスケだろう)

しかし、逆境のドン底にあっても監督は
「責任は全て自分にある。選手達はよくやってくれている」
と言い続けた。


監督の地道な土壌作りは実を結び、ついに災い転じて福と為す。
いや、岡田監督が災いを利用した、と見るべきか。

兎に角、闘莉王の言葉がきっかけとなり、このチームはブレイクスルーを果たした。
そこからは選手間のコミュニケーション量が飛躍的に増え、みんなが「今の自分ができることでチームに貢献すること」に集中し始めた。
エネルギーがその一点に集約された。

これは俗に言う、「フロー」の状態だ。
そこからの快進撃は、周知の通りだ。

フロー状態まっただなかの選手達は、不思議な感じがしたことだろう。
やることが全て連動し、不思議と上手くいってしまう。
何か問題があっても、手持ちの武器で解決してしまう。
偶然が重なり、それらが意味を持つようになる。


W杯後、選手達はみんな
「最高のチームだった」
「もっとこのチームでやりたかった」
と言った。


フロー状態を経験すると、それをどうしてももう一度味わいたくなる。
最高に充実し、最高に幸せな経験だからだ。
(私にもささやかながらフローの経験がある為、よく分かる)



この時期に、サッカー日本代表という一番注目される組織がフローに入ったことは、偶然ではない。
これは日本の雛形だ。プロトタイプだ。

次世代の経営論のエッセンスが、ここに詰まっている。
実のところ、岡田監督はそのような経営論を多く学んでいる。
(ように見える。彼の本棚にはそのような本がたくさんあった。)
参考にして多いに活用したい。


これらを参考にし、分かっていてもなかなか舵を逆方向に切るのは難しい。
トップ主導のトップダウンでできることではないからだ。
徹底したボトムアップからようやく実現できることだが、浸透させるのはそれこそ難しい。

みんな自分を守りたいし、ロボットのようなヤツも多いからだ。

岡田監督は日本の教育システムと対決し、一旦は敗れた。
しかし、ドン底まで落ちることによって、ようやくスイッチを入れることに成功した。


日本の多くの組織が、いや日本そのものがこれから辿る道だろうと思う。

未来は当面は暗く、やがて明るい。



非常識経営の夜明け 燃える「フロー」型組織が奇跡を生む 人間性経営学シリーズ2非常識経営の夜明け 燃える「フロー」型組織が奇跡を生む 人間性経営学シリーズ2
(2008/10/01)
天外 伺朗


この「フロー経営」はようやく出てきた「日本発」の次世代のスタンダードとなるべき経営論だ。
「グローバリゼーション」「アメリカ型成果主義」などで洗脳され、ボロボロになった日本の組織を蘇らせる為に。必読の書。
岡田監督も出てくる。



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